ジェフユナイテッド千葉の決算 — 売上高・スポンサー収入・営業利益(2025年度)
ジェフユナイテッド千葉の2025年度のJリーグ配分金は1億2700万円で、売上高39億2700万円の3.2%にあたる。この割合は、2026-27シーズンのJ1に所属する20クラブで最も低い。同じ年、トップチーム運営経費は4億2700万円で売上高の10.9%になり、こちらは20クラブで最も高い。トップチーム人件費は12億5700万円で、売上高の32.0%、20クラブでは15番目の割合である。千葉は2024年度・2025年度ともJ2に所属していて、2026-27シーズンがJ1での1年目にあたる。
この定点記事は、開示された事実と編集部の見立てを分けて書く。
経営の全体像
| 項目 | 2024年度2024-02-01〜2025-01-31・12か月 | 2025年度2025-02-01〜2026-01-31・12か月 |
|---|---|---|
| 収入 | ||
| 売上高 | 3,197 | 3,927 |
| スポンサー収入 | 1,713 | 2,081 |
| 入場料収入 | 382 | 701 |
| 物販収入 | 276 | 385 |
| Jリーグ配分金 | 122 | 127 |
| 移籍補償金等収入 | 274 | 183 |
| アカデミー関連収入 | 132 | 38 |
| 女子チーム関連収入 | 157 | 146 |
| その他収入 | 141 | 266 |
| 費用 | ||
| 売上原価 | 2,606 | 3,159 |
| トップチーム人件費 | 889 | 1,257 |
| トップチーム運営経費 | 336 | 427 |
| 試合関連経費(ホームゲーム開催費) | 154 | 228 |
| 物販関連費 | 200 | 293 |
| 移籍関連費用 | 241 | 226 |
| アカデミー関連経費 | 295 | 203 |
| 女子チーム関連経費 | 238 | 258 |
| その他売上原価 | 253 | 267 |
| 利益 | ||
| 販売費および一般管理費 | 549 | 652 |
| 営業利益(▲損失) | 43 | 116 |
| 経常利益(▲損失) | 41 | 111 |
| 当期純利益(▲損失) | 16 | 89 |
前年からの変化
2024年度から2025年度にかけて、売上高が22.8%増え、同じ期間にスポンサー収入が21.5%増え、入場料収入が83.5%増え、トップチーム人件費が41.4%増え、営業利益が7300万円改善した。
| 指標 | 2024年度 | 2025年度 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,197 | 3,927 | +22.8% |
| スポンサー収入 | 1,713 | 2,081 | +21.5% |
| 入場料収入 | 382 | 701 | +83.5% |
| トップチーム人件費 | 889 | 1,257 | +41.4% |
| 営業利益(▲損失) | 43 | 116 | +73 |
20クラブの中での位置
ジェフユナイテッド千葉の売上高は20クラブ中16番目。
| 指標 | ジェフユナイテッド千葉 | 20クラブの中で |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,927 | 20クラブ中16番目 |
| スポンサー収入 | 2,081 | 20クラブ中15番目 |
| 入場料収入 | 701 | 20クラブ中16番目 |
| トップチーム人件費 | 1,257 | 20クラブ中18番目 |
| 営業利益(▲損失) | 116 | 20クラブ中10番目 |
| 項目 | ジェフユナイテッド千葉 | 20クラブ合計 |
|---|---|---|
| スポンサー収入 | 53.0% | 42.2% |
| 入場料収入 | 17.9% | 18.5% |
| 物販収入 | 9.8% | 9.7% |
| Jリーグ配分金 | 3.2% | 6.3% |
| その他 | 16.1% | 23.3% |
- スポンサー収入
- 入場料収入
- 物販収入
- Jリーグ配分金
- その他
順位は上の指標の値を降順に並べた結果であり、優劣の評価ではない。「その他」には移籍補償金等収入・アカデミー関連収入・女子チーム関連収入・その他収入が入る。決算期間が20クラブで揃っていない年であり、期間の長さが違うクラブの比率を並べている。
このクラブについて
事実① 順位表の外にある費用の行で、20クラブの1番目に来る
順位表に載っているのは5つの指標である。千葉は2025年度、売上高39億2700万円が16番目、スポンサー収入20億8100万円が15番目、入場料収入7億100万円が16番目、トップチーム人件費12億5700万円が18番目、営業利益1億1600万円が10番目にある。前年度もほぼ同じ位置だった。5指標のうち費用は人件費の1行だけで、その1行では千葉は20クラブの下位にいる。
リーグは売上原価を8項目に分けて開示している。トップチーム人件費・移籍関連費用・トップチーム運営経費・試合関連経費・物販関連費・アカデミー関連経費・女子チーム関連経費・その他売上原価である。この8項目まで数えると、千葉が20クラブで1番目に来る行が1つある。トップチーム運営経費で、額は4億2700万円(20クラブの11番目)、売上高に占める割合は10.9%である。2番目は名古屋グランパスの10.8%だった。前年度の千葉は3億3600万円・10.5%で、20クラブの2番目だった。
この項目に付いている定義は「遠征・合宿・用具等のトップチーム運営費」である。3種類が挙がったうえで「等」が付いていて、そのどれがいくらかは示されていない。
事実② 増収7億3000万円。Jリーグ配分金が売上高に占める割合は20クラブで最も低い
増収は7億3000万円である(31億9700万円 → 39億2700万円、22.8%増)。収入8項目のうち増えたのは5項目で、スポンサー収入が3億6800万円、入場料収入が3億1900万円、その他収入が1億2500万円、物販収入が1億900万円、Jリーグ配分金が500万円。減ったのは3項目で、アカデミー関連収入が9400万円、移籍補償金等収入が9100万円、女子チーム関連収入が1100万円である。入場料収入の83.5%増は19クラブで2番目に高い伸び率で、上に来るのはV・ファーレン長崎である。アカデミー関連収入の減少額9400万円は、19クラブで最も大きい。これらの増減額はリーグが公表している値ではなく、開示された2年度の値を引き算したものである。
アカデミーと女子チームは、リーグが収入と費用を別の行で開示している4事業(アカデミー・物販・女子チーム・移籍)のうちの2つである。アカデミー関連は、収入が9400万円減った同じ年に、経費も2億9500万円から2億300万円へ9200万円減っている。その結果、経費が収入を上回る幅は1億6300万円から1億6500万円で、ほとんど動いていない。女子チーム関連は、収入が1億4600万円・経費が2億5800万円で、経費が上回る幅は8100万円から1億1200万円になった。これらの差はいずれも公表値ではなく、開示された2つの値の引き算である。
Jリーグ配分金は1億2700万円で、売上高に占める割合3.2%は20クラブで最も低い。千葉は2024年度・2025年度ともJ2に所属していて、決算期間はどちらも12か月(2月1日〜翌1月31日)である。2026-27シーズンがJ1での1年目にあたる。この2年度の収入は、J2のカテゴリーで積み上げたものである。2年度ともJ2の決算のままJ1初年度を迎えるのは、千葉のほかに水戸ホーリーホックとV・ファーレン長崎である。
編集部の見立て — J2の収入のまま、費用の重みが人件費以外の行に出ている
ここから先は編集部の見立てである。仮説として読んでほしい。
千葉の収入は、2年度ともJ2のカテゴリーで積み上げたものである。Jリーグ配分金の割合3.2%は20クラブで最も低く、収入の側は、J1のクラブと同じ並びになっていない。それでも営業利益1億1600万円は、20クラブの10番目にある。
費用の側を見る。順位表の5指標のうち、費用はトップチーム人件費の1つだけである。20クラブを人件費で並べると、千葉は額で18番目、売上高に占める割合で15番目にいる。その1行だけを見るかぎり、千葉は費用の側で外れていないクラブである。売上原価の8項目まで数えると、20クラブの1番目が1つ出てくる。トップチーム運営経費である。
したがって編集部の見立ては、千葉の2年度は、収入をJ2の構造のまま置きながら、費用の重みが人件費ではない行に出ているクラブの決算である、というものである。人件費の割合は20クラブで15番目、トップチーム運営経費の割合は1番目。2026-27シーズンは、この組み合わせのままJ1に入る最初の1年になる。
そのうえで、いちばん重いその行が何なのかは、表からは読めない。定義は「遠征・合宿・用具等」——3つ挙げたあとに「等」が付く形で、内訳は示されていない。人件費と移籍関連費用については、1クラブで人件費の一部が移籍関連費用に含まれていた修正が注記されている(→ アビスパ福岡)。トップチーム運営経費には、それも無い。
測っていないこと
トップチーム運営経費4億2700万円の中身を、この記事は測っていない。「遠征・合宿・用具等」のどれがいくらかは開示されていない。
アカデミー関連の収入と経費が同じ年にほぼ同額減ったことについても、事業の規模が変わったのか、計上する範囲が変わったのかは分けられない。資料の注記は「上記数値はクラブ運営法人単体の数値であるため、アカデミー(育成・普及)事業を、クラブ運営法人と直接関係のあるNPO法人や一般社団法人に移管している場合には、アカデミー関連収入及び費用が上記数値に含まれないことがある。」と述べているが、どのクラブが該当するかは書かれていない。したがって、この記事はどちらとも書いていない。
移籍補償金等収入1億8300万円と移籍関連費用2億2600万円についても、それぞれが何件の移籍で構成されているのかは開示されておらず、分かるのは合算だけである。
比べないこと
「トップチーム運営経費」に何が入るかは、定義が揃っているかを確かめられないので、リーグの外の数字とは比べていない。リーグは各項目の定義を、表の項目名と注記の形でしか示していない。遠征にかかる費用は、リーグの地理的な広がりと日程の組み方で大きく変わる論点で、この記事の見立てに最も効く材料でもある。本媒体の方法はメソドロジーにまとめてある。
この記事は20クラブを1つの並びに置いているが、在籍カテゴリーの違いは調整していない。この並びには、2年度をJ2で過ごしたクラブが千葉を含めて3つ入っている。千葉の2年度はどちらもJ2の決算であり、Jリーグ配分金の割合が20クラブで最も低いことは、その事実と切り離して読めない。
トップチーム運営経費が売上高に占める割合で千葉に次ぐのは名古屋グランパスであり、同じくJ2の決算のままJ1初年度を迎えるのは水戸ホーリーホックとV・ファーレン長崎である。同じ物差しで並べた3クラブの記録はそれぞれの記事にあり、20クラブの一覧は親記事にある。
この記事の物差し(要約)
対象はジェフユナイテッド千葉の2024年度(決算期間 2024-02-01〜2025-01-31・12か月)・2025年度(決算期間 2025-02-01〜2026-01-31・12か月)。
指標の値は、公益社団法人日本プロサッカーリーグが公表した決算一覧から取っている[1][2]。
次の指標は、上の表の数字を素直に読むと誤る。定義を要約せずそのまま置く。
- 物販収入
- グッズ等の物販収入。代理店に委託販売しているクラブがあり、取扱高総額でのクラブ間比較はできない(資料注記3)
- 物販関連費
- 物販に係る原価・費用(注記3は収入側と同じ)
- アカデミー関連収入
- 育成・普及事業の収入。別法人(NPO等)へ移管している場合は含まれない(資料注記2)
- アカデミー関連経費
- 育成・普及事業の費用(注記2は収入側と同じ)
- トップチーム人件費
- トップチームの選手・監督・コーチ等の人件費。2024年度より移籍関連費用を内数から外出ししており、それ以前の年度と単純比較できない
- 移籍関連費用
- 選手獲得に伴う移籍金等。2024年度より人件費から外出し
各項目の定義は、Jリーグの開示資料(クラブ決算一覧・クラブ経営情報開示資料)の項目名と注記に対応させて Pitchonomics が整理したものである。リーグが定義として公表した文そのものではない。
各指標の定義と、20クラブを同じ物差しで並べるにあたっての条件は親記事にまとめてある。18クラブが増収し、営業損失クラブは4から5に増えた — 2026-27シーズンのJ1に所属する20クラブの決算を2年分並べた