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クラブ2026-08-12

ファジアーノ岡山の決算 — 売上高・スポンサー収入・営業利益(2025年度)

Pitchonomics 編集部

ファジアーノ岡山の2025年度は、2025年2月1日から6月30日までの5か月間である。2026-27シーズンのJ1に所属する20クラブで、2025年度が12か月でないのは岡山だけである。この5か月の売上高は19億800万円、営業利益は1億5800万円だった。前年度は12か月(2024年2月1日〜2025年1月31日)で、売上高20億3600万円、営業損失1億800万円である。

この定点記事は、開示された事実と編集部の見立てを分けて書く。

経営の全体像

ファジアーノ岡山の決算(単位: 百万円。▲は負の値)
項目2024年度2024-02-01〜2025-01-31・12か月2025年度2025-02-01〜2025-06-30・5か月
収入
売上高2,0361,908
スポンサー収入910881
入場料収入293350
物販収入237284
Jリーグ配分金126116
移籍補償金等収入036
アカデミー関連収入09
女子チーム関連収入00
その他収入470232
費用
売上原価1,6381,348
トップチーム人件費668516
トップチーム運営経費17384
試合関連経費(ホームゲーム開催費)146124
物販関連費194233
移籍関連費用74146
アカデミー関連経費042
女子チーム関連経費00
その他売上原価383203
利益
販売費および一般管理費506402
営業利益(▲損失)▲108158
経常利益(▲損失)▲114156
当期純利益(▲損失)▲2597

前年からの変化

2025年度は5か月決算、2024年度は12か月決算のため、前年と同じ条件で比較できない。

20クラブの中での位置

ファジアーノ岡山の売上高は20クラブ中19番目。

指標ごとの位置(金額は百万円。▲は負の値)
指標ファジアーノ岡山20クラブの中で
売上高1,90820クラブ中19番目
スポンサー収入88120クラブ中19番目
入場料収入35020クラブ中19番目
トップチーム人件費51620クラブ中19番目
営業利益(▲損失)15820クラブ中8番目
20クラブの売上高とファジアーノ岡山の位置20クラブの売上高を降順に並べた横棒グラフ。軸は0から200億円まで。ファジアーノ岡山は20クラブ中19番目の位置にある。050100150200浦和レッズ川崎フロンターレガンバ大阪ヴィッセル神戸サンフレッチェ広島鹿島アントラーズ横浜F・マリノスFC東京FC町田ゼルビア名古屋グランパスセレッソ大阪清水エスパルス柏レイソル東京ヴェルディ京都サンガF.C.ジェフユナイテッド千葉アビスパ福岡V・ファーレン長崎ファジアーノ岡山(5か月)水戸ホーリーホック
20クラブの売上高とファジアーノ岡山の位置(単位: 億円。軸は0から200億円まで)。 濃い1本がファジアーノ岡山である。同じ数字は上の表にある。
売上高に占める内訳の構成比(%)
項目ファジアーノ岡山20クラブ合計
スポンサー収入46.2%42.2%
入場料収入18.3%18.5%
物販収入14.9%9.7%
Jリーグ配分金6.1%6.3%
その他14.5%23.3%
ファジアーノ岡山と20クラブ合計の売上高の構成比ファジアーノ岡山と20クラブ合計の、売上高に占める内訳の構成比を並べた100%積み上げ横棒グラフ。ファジアーノ岡山はスポンサー収入46.2%、入場料収入18.3%、物販収入14.9%、Jリーグ配分金6.1%、その他14.5%。ファジアーノ岡山20クラブ合計
  • スポンサー収入
  • 入場料収入
  • 物販収入
  • Jリーグ配分金
  • その他
ファジアーノ岡山と20クラブ合計の売上高の構成比(100%積み上げ。項目の順序は全記事で同じ)。同じ数字は上の表にある。

順位は上の指標の値を降順に並べた結果であり、優劣の評価ではない。「その他」には移籍補償金等収入・アカデミー関連収入・女子チーム関連収入・その他収入が入る。決算期間が20クラブで揃っていない年であり、期間の長さが違うクラブの比率を並べている。

このクラブについて

事実① 決算期を移す途中の期が、そのまま1つの年度になっている

決算一覧は、金額の列の左に決算期間の列を持っている。2025年度の20クラブを期末で数えると、1月末が15クラブ、12月末が3クラブ、3月末が1クラブ、6月末が1クラブになる。6月末の1クラブが岡山で、その期だけが5か月しかない。3月末の1クラブは柏レイソルで、こちらは12か月である。前年度は20クラブとも12か月だった。

リーグ全体が6月決算へ移行している最中で、その途中経過が決算期間の列に出ている。岡山の2025年度は、その移行のための期がそのまま1つの年度として開示されたものである。

この記事は、岡山の前年比を計算していない。2024年度が12か月、2025年度が5か月で、数えている期間の長さが違うためである。年に換算し直すこともしていない。上に並べた2年度の額は、長さの違う2つの期の額をそのまま置いたものである。

所属は2024年度がJ2、2025年度がJ1である。前年からカテゴリーが変わったのは、20クラブで岡山と清水エスパルスの2クラブだけである。

事実② 5か月の中で、割合はどうなっているか

期間の長さが違っても、5か月の期の中で計算した割合には内的な整合がある。分子も分母も同じ5か月だからである。ただし、その割合が12か月の割合と同じ意味を持つとは限らない。

売上高19億800万円の内訳は、スポンサー収入8億8100万円が46.2%、入場料収入3億5000万円が18.3%、物販収入2億8400万円、その他収入2億3200万円が12.2%、Jリーグ配分金1億1600万円が6.1%、移籍補償金等収入3600万円、アカデミー関連収入900万円である。女子チーム関連収入は0円だった。

費用の側では、売上原価13億4800万円が売上高の70.6%、販売費および一般管理費4億200万円が21.1%である。売上原価の内訳では、トップチーム人件費5億1600万円が売上高の27.0%で、20クラブの並べ替えでは下端に来る。だがこの記事は、その位置を岡山の性質として書かない。人件費は年間で平準化される項目ではないので、5か月の27.0%を12か月の27.0%と同じものとして読むことはできないからである。

事実③ 貸借の項目には、期間の長さが効かない

決算一覧は損益の下に貸借の項目も載せている。これらは期末の1時点の残高で、期間が5か月でも12か月でも、数え方は変わらない。岡山の2025年6月30日時点では、資産の部の合計が20億6100万円、負債の部の合計が17億400万円、資本(純資産)の部の合計が3億5700万円である。前年度の期末(2025年1月31日時点)は、それぞれ17億4200万円・14億8200万円・2億6000万円だった。この4か月半のあいだの動きは、期間の長さの問題を受けない。

ところが、貸借の項目を売上高で割ると話が変わる。資産の部の合計を売上高で割ると108.0%になり、20クラブの並べ替えでは上端に来る。だがこの記事は、その位置を岡山の性質として書かない。分子は1時点の残高、分母は5か月ぶんの売上高で、この割り算だけが分母の側に期間の長さを持ち込んでいるからである。12か月のクラブの同じ割合と並べても、比べたことにならない。

編集部の見立て — 5か月であることは、表全体に一様には効かない

ここから先は編集部の見立てである。仮説として読んでほしい。

「期間が5か月なので比べられない」という一文で片づけると、この1行が持っている情報のほとんどが捨てられる。実際には、5か月であることは項目ごとに違う効き方をしている。

収入と費用の額には、そのまま効く。5か月ぶんの額であり、12か月の額と並べられない。割合には、項目によって効く。分子と分母が同じ期間なので内的整合はあるが、年間で平準化されない項目では、12か月の割合と同じ意味を持たない。貸借の残高には、効かない。期末の1時点の値だからである。そして貸借を売上高で割った割合には、分母だけに効く。

したがって編集部の見立ては、岡山の1行は「比べられない行」ではなく、「どの数字がどこまで比べられるかを1行の中で分けなければならない行」である、というものである。20クラブの表の中で、この作業が要るのは岡山の2025年度だけである。

提言 — 合計と平均の列に、期間が揃っていないことを注記してほしい

提言は、岡山にではなくリーグの開示の形に向ける。決算期間の長さが揃わないクラブが含まれる年については、合計と平均の列にそのことを注記してほしい。

決算一覧には、20クラブの数字を縦に足した合計と平均の列がある。期間の長さが揃わないクラブが1つ混ざると、その合計は「20クラブの12か月ぶんの合計」ではなくなる。平均も同じである。

資料はすでに、端数処理について「端数処理の影響で合計値が一部一致しないところがある。合計数値は、各クラブの百万円単位の金額を単純に合計したものである。」と注記している。同じ列について、期間の長さの不揃いにも1行あればよい。新しい数字を集める必要はない。決算期間の列はすでに表にある。

この提言への反論

反論はある。期間の不揃いは6月決算への移行に伴う一時的なもので、恒久的な注記を足すのは過剰だ、という反論である。実際、2024年度は20クラブとも12か月で、この問題は起きていない。

だが、移行が終わるまでは同じことが起き続ける。資料自身が「2026年は、7月に3月決算の2クラブ、10月に6月決算の51クラブの経営情報を開示する予定であるが、シーズン移行期にあたり各クラブの決算期間が異なることから、決算一覧の公表に留めることとする」と述べている。期間が揃わないことは、リーグの側でも織り込み済みの状態である。だからこの提言は、恒久的な様式の変更ではなく、該当する年に1行を置くというものである。

自分の側の不利な事実も置いておく。この記事が事実②と事実③で出した割合は、いずれも本媒体が自分で計算したもので、リーグの資料には無い。合計と平均の列に注記を求める一方で、この記事は自分が作った割合に、本文の中で同じ断りを付けている。注記を外部に求める前に、自分の側で付けている、という形になっている。

比べないこと

それぞれの「年度」が何を指すかは、定義が揃っているかを確かめられないので、リーグの外の数字とは比べていない。決算期の移行をどう開示するかはリーグごとの制度の話で、この記事の見立てに最も効く材料でもある。本媒体の方法はメソドロジーにまとめてある。

この5か月に何試合が含まれていたのかも、この記事は測っていない。決算一覧に開催数の行は無く、本媒体もその数字を持っていない。期間の長さの問題は、試合数が分かれば一部は解ける。分からないので、解いていない。

前年から所属カテゴリーが変わったもう1つのクラブは清水エスパルスであり、20クラブで唯一4月から翌3月までを1つの期にしているのは柏レイソルである。同じ物差しで並べた2クラブの記録はそれぞれの記事にあり、20クラブの一覧は親記事にある。

この記事の物差し(要約)

対象はファジアーノ岡山の2024年度(決算期間 2024-02-01〜2025-01-31・12か月)・2025年度(決算期間 2025-02-01〜2025-06-30・5か月)。

指標の値は、公益社団法人日本プロサッカーリーグが公表した決算一覧から取っている[1][2]。

次の指標は、上の表の数字を素直に読むと誤る。定義を要約せずそのまま置く。

物販収入
グッズ等の物販収入。代理店に委託販売しているクラブがあり、取扱高総額でのクラブ間比較はできない(資料注記3)
物販関連費
物販に係る原価・費用(注記3は収入側と同じ)
アカデミー関連収入
育成・普及事業の収入。別法人(NPO等)へ移管している場合は含まれない(資料注記2)
アカデミー関連経費
育成・普及事業の費用(注記2は収入側と同じ)
トップチーム人件費
トップチームの選手・監督・コーチ等の人件費。2024年度より移籍関連費用を内数から外出ししており、それ以前の年度と単純比較できない
移籍関連費用
選手獲得に伴う移籍金等。2024年度より人件費から外出し

各項目の定義は、Jリーグの開示資料(クラブ決算一覧・クラブ経営情報開示資料)の項目名と注記に対応させて Pitchonomics が整理したものである。リーグが定義として公表した文そのものではない。

各指標の定義と、20クラブを同じ物差しで並べるにあたっての条件は親記事にまとめてある。18クラブが増収し、営業損失クラブは4から5に増えた — 2026-27シーズンのJ1に所属する20クラブの決算を2年分並べた

出典・脚注
  1. [1]公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 クラブ決算一覧」 · 2026-07-24 · 2026-08-04確認 リンク アーカイブ
  2. [2]公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2024年度 クラブ決算一覧」 · 2025-07-29 · 2026-08-06確認 リンク アーカイブ